エクセルソイルについて

“エクセルソイル”はみのる産業(株)と(株)クラレが共同開発した、ポリエステル繊維を用いた固化培土です。
エクセルソイルに使用されているポリエステル繊維は特殊な性能を持っています。

成型加工によって
①培土素材(ピートモス・パーライト等)の形状に関係なく3次元の網状の構造を形成します。
②培土素材が持つ本来の保水性・透水性の物理形状を損ないません。
③繊維がスポンジ状の構造を長期間維持、植物に重要な″空気“(気相)が確保されます。

ポリエステル繊維 培土

エクセルソイルプロジェクト

ひと昔前まであった空地や野原、雑木林などは人々の生活利便性のため、施設や宅地・オフィスや商業施設へと姿を変えました。その代償として、緑の担っていた役割が奪われ、ヒートアイランド現象など、環境の変化が顕著にあらわれるようになりました。
温暖化の影響は、たとえば冷房の使用率が上がることにより、排熱の増加・エネルギー消費の増加を加速し温室効果ガスの発生に拍車をかけるという悪循環に陥っています。 この悪循環を断ち切るために、私達は緑の環境を取り戻すことが必要です。
しかし、緑の環境を取り戻すことは容易なことではありません。
公園などの緑地エリアを簡単に増やせない都市において、国や自治体に任せるだけでなく企業や市民レベルでの具体的な行動が問われています。
私達は、“エクセルソイル”という農業分野で実績のある培土を建物の緑化に応用、多様な緑化を提案します。子供たちの未来のために、自然と共に生き・暮らすことができる世の中にしていくことが企業としての未来のための役割と考えています。

農園芸生産用途から始まった技術

花・野菜等の苗生産現場では、歩留りの向上と高品質化が求められています。
また、コスト要求に応えるため、作業の機械化の為に、培土の固化が必要条件となっています。培土の固化技術には天然の高分子を利用する方法が実用化されていますが、この手法は化学反応による固化技術のため、培土中のイオン量・水分・温度などの影響を受けやすく
①固化度が変化する ②適応植物の範囲が限られている 等の課題が残されていました。
エクセルソイルは土壌本来の特徴を維持しながら、植物の適応範囲が広い培土であることは植物の生産者から高く評価されています。
″エクセルソイル・キューブ“はトマト・パプリカなどの野菜栽培システムにロックウールの代替としてそのまま利用が可能です。エクセルソイルに使用しているポリエステル繊維は、特殊構造をしていますが、繊維自体は衣類・不織布などに使用される無害なものです。
安全・無害のイメージは消費者に対し安心感という付加価値を与えます。また、育苗にポリポットを必要とせず、その裸培土からの気化熱による冷却効果で、夏季育苗における良い成績も報告されています。

屋上緑化への利用

屋上緑化に用いられる培土は風雨による土壌の流出・飛散などの問題を抱えています。
建物への負荷を軽減するための軽量土壌は、軽量であるがために流失・飛散してしまい一定の土厚を確保するために定期的に土壌を補てんする必要がありました。また、既存の建物へ屋上緑化を導入する場合、荷重を踏まえた設計をしなければならないため、植物の必要な土の量を確保することが難しいなどの問題も抱えていました。″エクセルソイル・緑化基盤材GBシリーズ“は軽量であり、固化培土であるため、流失飛散がありません。薄層緑化が可能で、固まった基盤材は施工性が高く、工数の削減が期待できます。

壁面緑化への利用

緑化の手法は平面から垂直へと推移しています。その中で植栽土壌もその″手法“に合わせた対応が求められています。″ユニット型壁面緑化システム・カベルデ” は ″エクセルソイル“ の特徴を最大限に発揮した壁面緑化システムです。″エクセルソイル”を用いた壁面緑化は大地にある土と同じような土で、垂直方向の植栽を可能にしました。基盤材を保持する最低限の資材で壁面の緑化が行えます。″軽量“ ″高い保水性” ″広い植物適正”というエクセルソイルの特徴と、自動灌水装置・独自開発した警報装置を合わせることにより、メンテナンスの頻度をできるだけ少なくしました。

プランター緑化

また、ユニット型壁面緑化の応用として、これを緑化プランターに用いる事で、直接外気に触れる裸の培土からの水の気化熱で、蒸れない・内部が高温にならないプランターが生まれました。樹脂容器では1年~2年程度の栽培でおきる根巻きも(植物の成長を阻害)おこりません。ワイヤーメッシュを補助資材として用いることで広い面積をカバーできます。

″エクセルソイル” は現在、農園芸用資材から建物の緑化の現場まで、さまざまなニーズに合わせた植物栽培培土として、
幅広い分野で植物が健全に生育できる環境になっています。